『ブラインドタッチ』は差別用語??今の正しい言い換えと背景を解説

タイピング

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【この記事の目的】

この記事は、言葉に関する知識を深め、教育やビジネスの現場で適切な表現を選ぶ助けとなることを目的としています。
これからのより良い言葉選びの参考になれば幸いです。

かつてはタイピング上達の指標として当たり前に使われていた、「ブラインドタッチ」という言葉がありました。

ところが最近では、この言葉が差別的な表現にあたる可能性があるとして、見直す動きが各所で広がっています。

タイピングにそれほど縁のない人たちはブラインドタッチという言葉は知っていたとしても、「えっ、今そんなことになっていたの??」という方も多いのではないでしょうか?

本記事では、「ブラインドタッチ」がなぜ問題視されているのか現在主流となっている正しい言い換え表現(今の言い方)や、教育・ビジネスの現場での対応についてわかりやすく解説します。

「ブラインドタッチ」とは?

「ブラインドタッチ(blind touch)」とは、キーボードを見ないで文字を入力する技術を指す言葉です。

1990年代〜2000年代初頭には、学校教育やパソコン教室、さらにはテレビCMなどでも頻繁に登場していました。

当時は、「ブラインド=見ない」&「タッチ=打つ」というシンプルな組み合わせで、誰もが違和感なく使っていた言葉でした。

しかし、そもそも「blind(ブラインド)」=「目が見えない人(盲目)」という意味であることから、現代では問題視され始めています。

なぜ「ブラインドタッチ」は差別用語とされるのか?

「blind」という英語には、「目の見えない人」、「視覚障がい者」という意味があり、無意識のうちに障がいを“欠陥”や“不自由”としてとらえる価値観を助長する可能性があると指摘されています。

差別的とされる背景

  • 「blind=見えない=劣っている」という連想が生まれる
  • 視覚障がいのある方に対して無意識の偏見を含む表現になりうる
  • 国際的にも「blind」という言葉は見直しが進んでいる(例:WHOや国連)

つまり、言葉自体が悪意を持って使われたわけではなくても、「知らずに傷つけてしまう」可能性があるため見直されているのです。

単純にblindの言い換えとしては、以下のような表現することが多いそうです。

  • seeing difficulties(視覚的困難)
  • visually impaired(視力が大幅に減少した)

タイピングの授業が始まる小学校では、軽度の弱視(視力の発達が障害されておきた低視力)の子供も授業を普通に受けます。
昔に比べて視力の悪い子供が増えているとはいえ、最近では様々な障がいをかかえながら通常学級(普通級)で学んでいる子供もかなり多いです。
そういった子供たちに余計な偏見や価値観を植え付けかねない表現は適さないのだと思います。

今の言い方:「タッチタイピング(タッチタイプ)」が主流

「ブラインドタッチ(blind touch)」に代わって現在主流となっているのが「タッチタイピング(touch typing)」という表現です。

これは英語圏でも一般的に使用されており、日本の教育現場や企業研修などでもこの用語が採用されています。

タッチタイピング(タッチタイプ)とは?

  • キーボードを見ずに入力する技術
  • ホームポジションを意識し、視線を画面に固定して入力
  • 各キーに対して正しい指を割り当てて打つ方法
  • 学習すればタイピング速度と精度が大きく向上する

「ブラインド」という言葉を使わずに、中立的で誰もが安心して使える表現という点が大きなポイントです。

教育・ビジネス現場での言い換え事例

1. 文部科学省・教育現場

文部科学省の学習指導要領や、学校のICT教育カリキュラムでは「タッチタイピング(タッチタイプ)」が使用されています。

「ブラインドタッチ」という表現は、基本的に使用されていません。

2. 企業の新人研修

パソコンスキルを指導する企業研修やマニュアルでも、現在は「タッチタイピング」が正式な用語として定着しています。

これはダイバーシティ【diversity】(さまざまな個人の属性の違いが受け入れられている状態=多様性)やインクルージョン【inclusion(組織内すべての人々が尊重され、個々が能力を発揮して活躍できている状態=包括)の観点からも重要な配慮とされています。

まとめ:誰もが安心して使える言葉を選ぼう

「ブラインドタッチ」は、かつては当たり前のように使われていた言葉ですが、現代の価値観に照らすと差別的な要素を含む可能性があるとして見直されてきています。

その代替表現として、「タッチタイピング(タッチタイプ)」が教育やビジネスの現場で広く使用されるようになりました。

言葉は、時代とともに変わるものです。

無意識のうちに誰かを傷つけないためにも、私たち一人ひとりが言葉の背景や意味を意識することが、より良いコミュニケーションの第一歩になります。